【ネタバレあり】SSSSグリッドマン考察、「裕太」と「古い怪獣」とは何だったのか【考察】

アニメSSSSグリッドマンが無事に最終回を迎えた。
無事に、という言葉が本当にふさわしい内容であった。

前回の投稿で、いかにSSSSグリッドマンが正当なグリッドマンの続編であるかを記載し、(以下リンク)

【ネタバレあり】旧作ファン目線で楽しむグリッドマン【最終回直前レビュー】 - ugoutadahito’s blog

11/12話は十分グリッドマンだったから、あと1話は好きにやってくれとコメントしたが、最終回を見てもやはりグリッドマンだった。

 

現実世界、仮想世界、ハイパーワールドという3つの世界をまたぐストーリーというグリッドマンの醍醐味と、怪獣の創造主が心の闇に勝つ、という展開は王道だし、フォルムも音楽も旧作に合わせるというなんとも豪華な最終回だった。
前回の記事の延長で、改めて新旧の構図を比較してもいいのだが、今回は最終回を終えて残った疑問について考察したいと思う。

 

それは次の疑問だ。

「なぜ裕太がグリッドマンに選ばれたのか?」

「古い怪獣とは何だったのか?」

という疑問が残る。
この疑問について、スタッフは読者に丸投げすることもなく、かなりヒントを投げてくれたので考察することは野暮かもしれないと思ったが、私の勘違いかもしれないと思ったので、いったん世にさらすこととする。

 

まず、この二つの疑問に答えるための前提として、SSSSグリッドマンの世界を改めて解釈してみる

---SSSSグリッドマンの世界(考察)---

高校生の新条アカネは、いわゆる引きこもりであり、部屋にこもり、ゲームを楽しんでいた。
キャラクターを設定して生活をシミュレーションさせる,そんなゲームを。
自分と同じ名前の完璧な美少女を作りキャラクターとしてゲームで眺める。
クラスには適当に好みに設定したキャラクターを作り、ながめていた。
(キャラクターは初期設定以外は削除しか選択できないNPC
そんな彼女の妄想に目を付けたのは、異世界(ハイパーワールド)からきたアレクシス・ケリブだ。彼は彼女にとりつき、彼女の妄想を加速させる。
彼女のゲームのプレーにアドバイスをし、時にはチートもそそのかし、彼女をよりゲームにはまらせていった。

しかし、アレクシスの野望を打ち砕く存在として、異世界からグリッドマンがやってくる。グリッドマンは、彼女のゲームの世界の中の住人の一人と融合し、彼女が好みのままに修正したゲームの世界の修正履歴をリセットするという行いを始めた。

自由気ままに自分の世界を楽しんでいた彼女にとっては非常にストレスがかかる事態であり、彼女はアレクシスにそそのかされながら修正を繰り返すが、ことごとくグリッドマンにゲームをリセットされ、最後はゲームすらやめてしまう。
しかし、アレクシスの狙いはそこであった。異世界の住人として、彼女の崩壊した心を取り込み、自身の欲望を満たすことで、自身の世界へ帰ろうと試みる。

異世界の住人としては、現実世界と現実世界の中のコンピュータゲームを掌握することなど簡単であったが、ゲームに宿ったグリッドマンはそれを阻止しようと取り組み、グリッドマンおよびゲームのキャラクター達との記憶が、彼女が最後には現実世界に向き合わしたことで、アレクシスは封印された。

そして彼女はゲームをやめて、部屋の外へでる決心をした。

---考察ここまで---

このような前提を基にするとそれぞれの役割は以下だと想定される。

 

宝多六花・・・アカネの友達としてのキャラクター(NPC)

海将・・・怪獣好きのキャラクター、自身の趣味を理解するキャラクター(NPC)

響裕太・・・現実世界でアカネが関心を持っていた人物と同じ名前のキャラクター(NPC) アカネの初期設定に反して、六花に好意をもってしまった。

アカネの創造した怪獣・・・ゲームを修正するチートツール。

アンチ・・・アカネが作ったチートツールの一つ。

古い怪獣・・・ゲームにもともと備わっている修正機能。正規の修正手段。アンチについては他の怪獣とは違い、正式なNPCの一つに変換した。(=ただのゲームだったはずなのに自我が芽生えている?)

 

さて、こんな妄想でいががだろうか?

 

 

【ネタバレあり】旧作ファン目線で楽しむグリッドマン【最終回直前レビュー】

アニメ、SSSSグリッドマンの話をしようと思うが、まずグリッドマンについて説明する。

グリッドマンとは1993年に放映された特撮ヒーローもの(実写)である。
ウルトラマン仮面ライダーと比べれば、圧倒的に知名度にかけるかもしれないが、1980年代半ば生まれには印象深い作品であり、この世代にとってのウルトラマンと言っても遜色のないヒーローである。
(アニメ化の際に異常にtwitterが盛り上がったが、多分30~34才くらいだと思う)

仮面ライダーはRX放映終了の89年から仮面ライダークウガ復活の2000年までテレビシリーズは10年以上なかったし、ウルトラマンウルトラマン80終了の81年からティガ復活の96年までテレビシリーズは15年ほどなかった。(グレートとかはテレビでやっていない)

1984年生まれの私にとっては、年中から中3まで仮面ライダーはいなかったし、生まれてから小6まではウルトラマンは不在だった。(戦隊ものは健在だったが)

仮面ライダーのような、強化された人が戦うヒーローとしてはウインスペクターなどのいわゆるメタルシリーズというが受け皿があったが、ウルトラマンのような、巨大化系ヒーローは受け皿がグリッドマンだったわけである。
という意味では84~88年生まれあたりにとってはウルトラマンよりもウルトラマンな存在であったといえる。

 

当時私は小学3年で最初から見ていた訳ではないが、かなりはまっていたのは今でも覚えている。

旧作(実写)のグリッドマンはどんな話だったかと言うと、

1.敵が、コンピューターにウイルス(怪獣)を送り込む。

2.怪獣がコンピュータの中で暴れる。電化製品などに異常が現れることで現実世界に問題を引きおこされる

3.解決するため主人公がグリッドマンと合体して電脳世界に飛び込みウイルスを倒す

4.現実世界の問題が解消され日常が戻る

というパターンの話だ。

例えば、敵が時計を狂わすウイルスを送り込んで、現実では時計が狂って人々が混乱し、その怪獣を倒すことで町が平和になるという感じの話。
(倒し方はグリッドマンが殴る蹴るビームで対処。都会のビルのように基盤が並ぶ舞台で戦うので、ウルトラマンのような巨大化ヒーローのような感じに見える)

さて、やや説明が長くなったが、それを踏まえてアニメ版のグリッドマンについて感想を述べる。
結論からすれば、旧作らしさをふんだんに受け継ぎながらも、新しい形のグリッドマンだと思う。

新しい視聴者にはわからないかもしれないが、旧作ファンとして見るとかなり面白い作品なのでそのあたりを中心に語りたいと思う。

旧作はさきほど記載したい通り、
現実世界での困りごとを解決するために、仮想世界に介入して、みんなの見えないところで解決するという構造だ。

しかし、始まった新シリーズは、仮想世界ではなく主人公の住む町に怪獣が現れ、グリッドマンがそれを倒すという展開で始まる。(1話)

「現実に怪獣が現れる」というのは、古参のファンにとっては旧作とは逸脱してらしくない。と感じてしまう。(表1)

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表1

表をみると新作の現実世界にはすべて詰まっていて、仮想世界が存在していない。
現実と仮想世界を行き来するヒーローではなく、グリッドマンらしさがまったくないのだ。

しかし話を進めることでグリッドマンらしさが見えてくる。

グリッドマンが怪獣を倒して一晩たつと、町の人は怪獣の記憶を失っており、一見、正常な日常に戻っているのだ。ただし、怪獣に殺された人だけは翌日になると存在が抹消されており、それを防ぐために主人公は戦うことになる。(2話)

現実と仮想世界という構図(表1)で見ているとグリッドマンらしくないように見えるが、町の人はグリッドマンに気づかないという点を軸に考えてみると、実は全く違うと思っていた新作が旧作に似ているのだ。まとめたのが表2である。

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表2

このように考えると、二つの世界を行き来しながら人々を守るというヒーローという点では新作もやはりグリッドマンであるのだ。

このことに気づいて、安心してグリッドマンを楽しみ始めると、物語は後半で大きな変化を見せてくる。
実は、主人公が現実だと思ってた世界は一人の神様により作られた世界であり、
怪獣はその世界を修正する存在であることがわかる。グリッドマンは修正を無効にするための存在であることがわかる。

(話がそれるが、パソコンゲームで育てていた街を、一晩かかって好みの街に修正したと思ったら、グリッドマンというバグが現れデータが1日前に戻ってしまったと考えると神様のイラつきのは理解できる)

いままで表2の構図でグリッドマンを楽しんでいた人にとって、これは驚きである。

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表3

ただしくは表3のような構図であったのだ。

「仮想世界と現実を行き来するヒーロー」ではなく、「二つの世界を行き来するヒーロー」と認識したと思ったら、やはり「仮想世界と現実を行き来するヒーロー」だったと・・・
グリッドマンはやはり現実とは違う世界で戦っており、最初から最後(最終回1話前)までグリッドマンだったのである。

明日は最終回だが、正直ここまでやってくれればグリッドマンとしては満足である。
最終回で何が起こるかはわからないが、好き勝手やってほしいと思う。
ここまでやってくれれば、どんなに予想も期待も裏切ってもこれはグリッドマンであり、新しい形のグリッドマンになりうると信じている。

 

 

※今回はストーリーを中心に語ってしまったが、登場人物の関係は旧作を踏襲しておりその点で見れば十分グリッドマンらしい作品ではある。(旧作ファンは1話からだれが怪獣の創造主がだれがすぐにわかっただろう)
上記の構造だけでなく、セカイ系と言われる構図も上手に取り入れた話であるが、そのへんは気が向いたら書こう。